回転木熊のグルペット

真紅のWilierにまたがって栃木の田舎道をぷらぷらしています。

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シェエラザードから諫山実生まで

R.コルサコフの「シェエラザード」を各種聴き比べてみました。
手持ちのオーマンディ盤のVnがヘタっぴなのに愛想が尽きまして。
最近入り浸りの図書館でデュトワ/OSM、チョン/バスティーユ、ロストロポーヴィッチ/パリ管があったので早速借り出し。
というか、アンセルメ/ロマンド管とかプレヴィン/VPOとかコンドラシン/ACOとかの重要な音源が無いんですがっ!>某市立図書館さま
チョン盤は平凡、ロストロポーヴィッチ盤はメンゲルベルクのマーラーみたいにデフォルメしまくり、デュトワ盤はやっぱりバランスが良い。この曲はVnの優美さと管の咆吼が上手く噛み合わないと気持ち良くないわけで、その点デュトワはさすがです。と思ってAmazon見たらデュトワ盤が今は廃盤らしい…。
違う図書館にあるゲルギエフ盤借りてイマイチだったら、基本のアンセルメ行っとくか… デッカのステレオ初期録音のリマスターだから音良いだろうし… コンマスで言えばVPOかACOなんだけどな…

なんつって4回連続でシェエラザードを近所のヒトに聴かせて(すいません)異国情緒にどっぷり浸った後は、正統派な日本の女性ポップスが聴きたくなったりして。

以上長い前フリ。

そこで、諫山実生(いさやま みお)の「ハナコトバ」ですよ。「動物のお医者さん」のTVドラマ主題歌だった曲が入ってるアルバムです。

何が良いってまず声質が好き。そりゃ男子が女子の歌聴こうってんだから、ちょっと声聴いただけでゾクゾクするようじゃなくちゃいけません。3曲目の「ふたり」という曲などはフェイ・ウォンの「天空」あたりを想い起こさせる節回しも聴かせます。

それから構成選曲の巧さ。荒井由美と小田和正の佳曲に「竹田の子守歌」とカバー3曲に自作曲5曲で、計8曲・36分という短さ。これが箸休めにはピッタリ。

あとはこのヒト東芝EMI所属なので見事にCCCD禍に巻き込まれてるんですが、3枚出てるアルバムの中でコレだけ本物のCD。この点も安心。

恐らくセールス的にはお話にならないヒトだとは思うのですが、東芝EMIには最後の良心を振り絞ってこういう人材をじっくり育てて欲しいものです。
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阿部 和重「シンセミア」

阿部和重が知らぬ間に大化けしたっぽい。

2003年秋発行の「シンセミア」の読後感です。

阿部和重と言えば、"J文学"というこっぱずかしいラベリングを河出にされつつヒットした「インディビジュアル・プロジェクション」にしても、近著の「ニッポニアニッポン」にしても、"一個人の妄想超特急"なのが特徴だったと言えます。

それが今回の「シンセミア」では、"町ぐるみの妄想超特急大暴走"にまで進化(?)しています。ラスト4分の1が例によって狂騒大団円の様相を呈すのは予想通りとはいえ、ここまで来るとちょっと凄いな、と思いました。

一言で言うと「戦後日本の地方都市に於ける共同体、その光と影のゲシュタルト崩壊を描く」。

筒井康隆や町田康や赤坂真理のようにゲシュタルトの崩壊した感覚そのものを文章で描写したという意味ではなく、比喩的に、ですが。

フリージャズのアルバムを聴き通した時の充足感と虚脱感、そういうのを味わえるなかなかの力作。

★★★★★
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Leap Year

リープ・イヤー。うるう年。

うるう年にはアメリカの大統領選があるワケで。
S.エリクソンの「リープ・イヤー」は1988年の大統領選をネタにした本でしたね。

それにしても、アメリカの大統領選挙のシステムは、ヨソ者にとってはなかなか把握しにくいです。選挙人って誰!? とか思ってしまう。

チンパンジーが勝つのかマントヒヒが勝つのか。アメリカの明日はどっちだ。

せめてマンドリルくらい見栄えがすればまだマシなのにね。あ、それがエドワーズか。
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世界で一番好きな喫茶店

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僕が世界で一番好きだった喫茶店が閉店してしまったそうです。

酸味より苦みが勝った冷めても美味いストロングブレンドというコーヒーがあって。正統派のジャズがJBLのOlympusだったかApolloだったかLancerだったかと真空管アンプで静かに鳴らされていて。最新号の雑誌がたっぷりあって。適度に混んで適度にすいていて。ピアノもあって月イチでミニライブもあって。

なによりマスターとの絶妙な距離感が居心地の良さに繋がっていた気がします。たまに音楽話とか世間話を交わす程度。身の上話には関わりすぎず。カウンターも良しテーブルも良し。特にスピーカーの音が一番良く聴けるテーブルはお気に入りでした。そこで本や雑誌を読んだり、モノ書いたり、下らない考え事したり。

夜になると客足も引いて、一息ついたマスターが「これ聴いたことあります?」ってとっておきのアルバムをかけてくれる。ちょっとだけボリュームを上げて。ジャッキー・マクリーンの"4,5 and 6"とかチック・コリア&ゲイリー・バートンの"Crystal Silence"とか、ココで聴いて愛聴盤になったアルバムも数知れません。

そういえば、大西順子の1stアルバムを聴いたのもこの店でした。やたらガッツのあるピアノトリオが流れていて「ピアニストは誰ですか?」と聞いたら、「日本人の女性なんですよ。新人の」と嬉しそうに答えてくれて、二人で感心したものです。そんな大西さんも最近ぱったり音沙汰が無くなってしまいましたが・・・

大学を卒業してその街を離れましたが、なにか用事があって近くに行ったときには必ず立ち寄ったものです。数年ぶりでも顔を覚えていてくれて、ストロングブレンドのブラック仕様が、ちょっと大きめのカップで出てきました。不覚なことに、そんな素敵な店はそうそう無いってことに気付いたのは、離れてしばらくしてからのことでした。

そんな店が、当時の彼女に「またあの店行ってたんでしょ」とヤキモチを焼かせたような店が、永遠に失われてしまいました。

自分が好きになった人やモノや世界は、気付かぬうちにどんどん失われていってしまうものですね。
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まとめ

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